今回は、このような悩みをお答えします。
土地評価は現況が原則
ご指摘のとおり、固定資産税上の課税地目は、現況主義であります。
したがって、現況が変われば、当然課税地目は、変更されるべきであり、実務上もそういった取り扱いがされています。
そして、農地というのも当然、現況主義で地目認定されるのですが、一方で、農地は勝手に転用してはいけないという、農地法の制限がかかっています。
これによって、土地利用に制限を加えられ、代償措置として、固定資産税上も宅地よりも安い評価額となっています。
また、課税標準額の算出においても、特定市街化区域農地では、課税標準額を評価額の1/3に引き下げる措置が講じられています。
以上のとおり、農地には課税上の優遇措置が講じられている以上、実務上、簡単に農地評価を入れられないという、背景事情があるわけですね。
(宅地上の家庭菜園が宅地扱いとなるのは、上記のような理由があるからです。つまり、容易に現況変更できる状況にあるという意味です。)
その結果、多くの市町村では、農地法上の農地であることを条件として、農地評価を入れているのです。
そして、この農地法上の農地は、登記地目も農地であることから、役所の職員も、登記地目の変更を求めたのではないでしょうか。
課税地目を農地にしてもらえる?
じゃあ実際に、課税地目を農地に変更するにはどうすればよいでしょうか?
そのためには、現況を変えるのはもちろんですが、登記地目を所管する法務局のほかに、農業委員会とも十分に調整し、登記地目を農地に変更し、かつ農業委員会が認める農地法上の農地(すなわち、農地転用前の農地)に変更することが必要かと思います。
なお、上記の取扱いは、各市町村によって異なることがあります。
また、実際に宅地から農地に変更できるかは、必ず当該法務局や農業委員会に問い合わせてみてください。
まとめ
今回は「登記地目が宅地でも、現況が農地ならば、農地に地目変更できる?」について解説しました。
固定資産税の土地評価については、現況主義が原則とされ、家庭菜園として宅地の中で畑を耕していてもなかなか畑で評価してもらえないのが実情です。
当ブログでは、固定資産税の評価や土地の活用方法についても解説しているので、他の記事もぜひご覧ください。