今回はこのような悩みにお答えします。
固定資産税の納税通知書はいつ届く?
固定資産税の納税通知書は、毎年4~5月になると、固定資産を有する市町村から所有者(納税義務者)宛に送られてきます。
しかし、実は納税通知書が送られてこないことも時々あるのです。
理由には、以下のような点が考えられます。
注意ポイント
・賦課期日(1月1日時点)に登記名義がない。
・共有名義で代表者が別の方である。
・免税点未満である。
特に、免税点未満については、所有している固定資産(土地・家屋・償却資産)のそれぞれの課税標準額の合計が、下記の額を満たしていないと課税されません。
土地 | 30万円 |
家屋 | 20万円 |
償却資産 | 150万円 |
それが、相続などで被相続人(亡くなられた方)の財産調査をしたときに、固定資産税を課税されていないことが原因で、相続すべき所有不動産を見落としてしまう可能性があります。
ですので、相続が発生した場合に相続財産を調査する場合は、被相続人の名寄帳を請求すると良いでしょう。
名寄帳には登記名義があるけど、非課税や免税点未満で課税されていない物件もすべて記載されていますので、調査漏れがなくなります。
なお、上記の理由のほか、納税通知書が届かないからといって安心してはいけません。
「納税通知書が届かない=固定資産税を納税する必要がない」という制度にはなっていないからです。
次に、公示送達制度について、解説しておきます。
公示送達制度とは
公示送達(地方税法第20条の2)
第1項 地方団体の長は、前条の規定により送達すべき書類について、その送達を受けるべき者の住所、居所、事務所及び事業所が明らかでない場合又は外国においてすべき送達につき困難な事情があると認められる場合には、その送達に代えて公示送達をすることができる。
第2項 公示送達は、地方団体の長が送達すべき書類を保管し、いつでも送達を受けるべき者に交付する旨を地方団体の掲示場に掲示して行う。
第3項 前項の場合において、掲示を始めた日から起算して、7日を経過したときは、書類の送達があつたものとみなす。
簡単に解説すると、役所が納税義務者や納税管理人に対して納税通知書を送付したけれども、宛先不明等で返戻された納税通知書については、公示送達制度によって、「送った」ものとみなされるわけです。
つまり、納税義務者側は「納税通知書が届いていないから関係ないよ」と主張できないだけでなく、仮に固定資産税を納付していない場合、知らないうちに、給与や財産が差し押さえられてしまう、というリスクがあることを十分認識しておく必要があります。
土地や家屋などの固定資産を所有している場合は、財産の管理だけでなく、納税通知書が毎年届いていて納付できているかまで、把握しておくことをおすすめします。
まとめ
固定資産税の納税通知書が届かない理由には、①賦課期日に所有していない、②共有名義で、代表者に書類が送られている、③免税点未満の3つがあります。
なお、納税通知書が届かないからといって安心してはいけません!
公示送達されていて、納税義務が法的に発生している場合もあるので、日頃から固定資産の管理から納税まで行われているか家族の間で話し合っておくと良いでしょう。